ヨッ、久しぶり!諸般の事情(メンドいので説明は割愛)により更新を怠っている内に11月も半ばとなってしまった。ナマけていた3ケ月の間に、オレの職 場が変わったり、和恵さんが女児を出産したり、F氏が電撃婚約をカマしたり、と大勢には影響がない些末な事象(相変わらず慇懃無礼なオレ)は、いくつか勃 発した。これからは週2回は更新しよう。したいものだ。
先日、『NHKアーカイブス』を観ていたら、当時90歳の里見惇センセイ(正確には立心 偏ではなく弓偏だが表記が出てこない)がこう仰っておられた。「いくら美しい文章でも理解できなきゃしょうがねぇんだよ。じゃあ、“理解できる文章”とは 何か。そりゃあ、あんた、“言ってることをそのまま文章にすりゃあいい”んだよ」。おぉ…!思わず感嘆の声を漏らすオレ。「もしかして、そんなんとっくに 会得しとるんちゃう、オレ!?」不遜な笑顔さえ浮かべてみる。が、里見センセイがご指摘になっていらっはるものとは天文学的な次元の違いがあるであろうこ とぐらいはわかっているつもりだぜ!美しい文章ねぇ…。
美しいといえば、とてもお天気が良かったので日曜日にお銀座へと繰り出したオレである。 美容院でビューティアップを図るためと、ちょいとしたショッピングをするためだ。カットしてもらっている間にいつものごとく女性誌をパラパラと読み飛ば す。(キャ~~~ッッッ!!!)オレの自己主張の弱いつぶらな瞳が実力以上(?)にカッと見開くページが出現した。V6の岡田准一くんが、ロシアンブルー を抱きながらソファに横たわり、悩ましげで艶めかしい視線をこちらに投げかけているではないか。美しいオトコと美しい猫。最強コラボである。これ以上何を 望もうか、いや何も望むまい(動揺のあまり反語を使ってみたりする)。ページコピーは、「年下男は最高の美容液!」だ。男と書いて「オム」と読ませるらし い。オム、って…。それってどうなの!?「情けない部分も含めて惚れられる男になりたいですね」と、岡田くんは語っていた。イヤ~ん、ずっと情けなくてい いのよ~。そのままでいて~。そもそも岡田くんったらちっとも情けなくないしぃ~。細身でハンサムで物静かで関西人。オレにとってもろストライクゾーンな 彼。欲を言やあ、もちっと背が高けりゃな…。否、贅沢を言っちゃイカンな。どうせオレのモノにはならないんだし。チッ。
さらにページをめくる と、現在原作した映画(題材は実話だが)『ブラック・ダリア』が日本でも公開中であるアメリカ人作家のジェイムス・エルロイのインタビューが掲載されてい た。L.A暗黒小説の首領様エルロイ。オレが彼の存在を知ったのはわりかし最近で、これまた原作映画『L.Aコンフィデンシャル』を観た頃だ。ラッセル・ クロウ演じる粗野で田舎者で無骨な刑事(←ありがち)もなかなか味わい深かったが、ガイ・ピアース演じるラッセルと対峙する、インテリでエリート街道爆進 中で仕事もプライベートも一縷の隙もないスマートな刑事(←これまたありがち)の方がオレ的には食指が動いた。普段は気取ってるくせに、キム・ベイシン ガー演じるフィルム・ノワールのファム・ファタールの象徴であるヴェロニカ・レイク似の高級娼婦にコロッとまいっちゃって、荒々しくキムを押し倒しちゃっ たりなんかするわけだ。そのギャップの表現が実に匠、もとい巧みなのだ。「もう、ガイったら予想GUY(←ベタ)なんだから…。テクニシャン…」と呆ける オレ。
そんな話はさておき、エルロイである。近影も載っていたが、思っていたよりもずっと若い。1948年生まれとあるから、今年で58歳だ。 もっとジイサンかとっくに死んでるかと…。フィッツジェラルドとかヘミングウェイとか骨太な文章は男好きされるイメージが強くて(モチロン苦手とする男性 もいるとは思うが)、オレのような耽美派にはあまり縁がない類いの方たちなの。どの方たちも一筋縄ではいかない破天荒な一生を送ってますけど。「何かが足 りない。だから歌う。何かが足りない。だから書く」が表現者としての宿命だと信じているオレは、表現者は支離滅裂でいいとは思ってるけどね。エルロイから 多大な影響を受けていた馳星周(深夜+1でバイトしていたらしい)の「不夜城」が流行った時に、「金城武みたいなチャイニーズ・マフィアに拉致されてあん なことやこんなこともされたらどうしよう…」と、ややワクワクして歌舞伎町を歩いたものだが、杞憂に終わった。
エルロイの作品に出てくる女性た ちは限りなく神々しいものとして描かれる。「非常に強い母性への思慕の念」を喚起させるのだ。アレン・ギンズバーグやジョン・レノンもそうだったが、「マ ザコンなんかな?」とオレは思っていた。が、エルロイには壮絶なバックボーンがあったのだ。エルロイが幼い頃に父親が蒸発。彼は母親に育てられた。母親は 看護師をしていたらしいが、女手ひとつで息子を養うには収入が乏しかったため、娼婦同然のようなこともしていたという。ある晩、彼女は男と連れ立って Barから消えた。翌日、彼女の死体は小道に捨てられていた。レイプされた後、ストッキングで首を絞められていた。犯人はついに捕まらなかった。エルロイ は10歳だったらしい。17歳の時に父親も亡くした彼は無頼の生活を送った。酒と麻薬に溺れ、駅や公園で寝泊りし、警察の厄介になることもたびたび。まさ にL.Aの暗黒面を知り尽くす。彼が自傷行為としか呼べないような日々を送る中、焦がれて止まなかったのが母であるのだろう。決して満たされることのない 母への強烈な想いが、自身の作品の中では特別な光をもった女たちとして登場する。「う~む、エルロイにとってのオンナはイコール母親なんだな。まさに聖母 じゃないか!」唸るオレ。そんなエルロイの最新インタビューだ。心踊らずにいらりょうか。
エルロイは話す。「実は二度目の離婚をした直後でひど く落ち込んでいる。どん底だ。でも今、ある女優に夢中なんだ。ぞっこんだ。先日プロポーズしたんだがフラれてしまった。まさに人生崖っぷちだな。神様はこ んなオレをどうしようと思っているのか知らないが、生き延びて最後まで見届けるつもりさ」。………。ちょっと!ちょっとちょっと!!(←ザ・たっち読み で)カンベンしてくれよ~。何だよ、このトホホエピソードは!あぁ~~~、ガッカリだよ!!情けない…。しかしアレだね、同じ「情けない」でも岡田くんに はちっとも悲壮感がないのに、エルロイは悲壮感溢れまくり。これが若者とオッサンの差というものであるのであろうか。オッサンといえば、昨日DoCoMo ショップに契約内容の変更に行った。窓口はわりと混んでいたので、待ち時間に雑誌『LEON』を手に取ってみた。中身を読んだことはないのだ。そりゃそう でしょ。今号の特集は「チョイ不良オヤジはLDK!」だ。LDKとは、「リビングデートで最『強』調!」だそうだ。おいおい…。「クリスマスなどイベント 前で浮き足立つ時期は、あえてソトデートよりウチデート」だとかで「リビングにはソファをわざと真中に置いて愛ランドに☆」(←お約束のダジャレ)と続 き、「二キータ(20代前半のコムスメたちのことらしい)に、“こんなの初めて…”と言わせよう」だってさ!めまいがしたぞ。噂には聞いていたが凄い媒体 だな、『LEON』って。オヤジの欲望全開だ。アレを真に受けて実践してるオヤジがいたら大笑いだ。なんだよ、艶女(アデージョ)って。光文社…恐ろしい 出版社である。この出版不況の中、気を吐くのはイイコトだと思うけどね。「みんなジイサンになっちゃうんだから、最初からジイサンと付き合うことはな い」。マイ母の言葉である。耳が痛いね。
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