「アタシは死にたくなるのが怖い」。
映画「やわらかい生活」の中で優子がそう言っていた。痛いほどよく分かる。胸をえぐられるようだ。
最 近日によって、とみに気分の浮き沈みが激しい。大したことではなく、一過性のものだろうとタカを括っていたのだが、見過ごせない状況に陥ってきている。 ちょっとヤバイかも。躁鬱入ってる感じだ。近い内にカウンセリングを受けようかと思っている。カウンセリングを受けるのは初めてじゃないしね。前に受けた のは、確か6年前だ。もうそんなに経つんだなぁ。
躁状態の時はパワーが漲ってきて、どんどん外にお出かけしたくなるし、いろんなひとに会いたく なる。好奇心が際立ってくるし、食欲も旺盛になる。五感をフル活動させて「人生を謳歌」したくなる。仕事にも前向きに取り組めるし。それが鬱状態になると すべてが真逆となる。どこにも出かけたくないし、誰にも会いたくないし、会話すらしたくない。何か食べなきゃ、と思うけれど起き上がることもできない。惰 眠を貪る感じ。が、よく眠れない。ズブズブとナーバスになってココロはひたすら闇を彷徨う。特に悲しいとも思わないでいるのに、急に涙が止まらなくなった りする。―病院に行った方がいいかもしれないな。何とか会社には行っているけれど、よく遅刻している。昔は鬱になるひと達のことを、「弱いヤツらだ」と 思っていた。驕っていた。ひとのココロの痛みに対して、無神経なところがあったのかもしれない。
この間和恵ちゃんに会ったときに少しだけ吐露し てみた。和恵ちゃんは随分長く鬱を患っていた経験がある。「離婚してから、『喪失感』が日に日に大きくなっていっていて。まるでガン細胞のように。それも 進行性ではあるのだけど、急に大きくなったわけではなくて、ジワジワと少しずつ肥大してきて、いつの間にかものすごい大きさになってた、って感じなんだよ ね」。すると和恵ちゃんがこう言った。「彼と離れて暮らすようになってからも、彼のこと考えない日は一日もないでしょ?」。オレは即座にうなづいた。そ う、一日も考えない日はない。考えるといっても、後悔というものでもなく…。心配はするけれど。やっぱり、情かなぁ。「もう愛情じゃなくて、情なんだよ。 振り返ってもいいことはないよ」、と先日黒部のマスターに諭された。大嫌いになれたらどんなにかラクだろう。「日薬って言葉があるよ。時間が解決して救っ てくれることって絶対にあるから」。和恵ちゃんはそう元気づけてくれた。どれぐらいの時間がいるのかな。長い長い時間がかかるのはイヤだな…。
Coccoはこう歌っていた。
あなたの歌がきこえないように 耳をふさいだ
あなたの指が しがみついたままで 遠くへ
からまる舌を 切り落としたのは あなたじゃなくて
もつれた腕に 爪を立てたのは
今さら 水面に歪む影
さぁ わたしは何処へ?
40を前に惑いっぱなしだ。窒息するぐらいに愛されたい。お腹いっぱいになるくらい愛されたい。誰かと一緒に暮らしたいな。神楽坂に帰りたい。
「キミがいとおしいから胸がしめつけられる」、とジョゼは言っていたけれど、片手間の愛では満たされない。事情があるのは承知しているけどね。言うは易し 行うは難し、だ。思い通りにならない相手を責めて、それがそのまま自分に返ってきて余計に自分がイヤになる。その繰り返し。
Coccoはこうも歌っていた。
傷には雨を
花には毒を
わたしに刃を
本当に、死にたくなるのが怖い。
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