桜がもう半分葉桜になっている。先週土曜日、新大久保のグローブ座へコンドルズの春公演をアカソフと観に行った。今回は例年以上にエンタテインメント性 が高く、ソツがないのに荒削りな部分も十分にわざと残しており、確信犯的ではないのだがとにかく痛快な作品で、1時間半がまさにあっという間。もう30分 は観たい!と切望する出来であった。オレは前回の公演までは藤田くんばかり見ていた。細身で朝鮮顔でキレがあるのにしなやかなダンスをする。好みだ。が、 今回は石渕さんと青田さんに釘付けである。二人共、確か大学講師でインテリ。そして明らかに変態だ。楽器も歌も上手く、おまけにハンサムである。やっぱり 30代後半~40代前半くらいもいいねぇ。まだ若さが残ってるもんな。アカソフも大変満足していたようである。
アカソフに会うのは昨年の年末以 来だったが、ヒロミちゃんに会うのも実に久々。ヒロミちゃんはややふっくらしていた。妊娠はまだしていないと聞いていたので、会うなり開口一番オレは 「ちょっとふっくらした…?」と言ってしまった。「そうなのよ~太った!」そう恥ずかしそうに言うヒロミちゃんは髪の色も明るくなっていた。金髪だ。「髪 の毛の色、随分明るくしたじゃん。似合うよ。どしたの?ずっと黒髪だったのに」「ううん、アタシの髪って本来はこの色なの。もう中学生の頃からね。ヅメ ちゃんが嫌いだって言うからずっと黒くしてたんだけど…。最近また“悪ヅメ”だから染めてやったの!」フフン、と自嘲するヒロミちゃんの横顔は何だか疲れ て見えた。ヅメちゃんはまた酔っては彼女に罵詈雑言を浴びせているのでは…。推測の域を越えないが心配だ。いささか夫婦の行き違いがあるのかもしれない。 公演終了後に少しだけヅメちゃんとロビーでお話しできた。「ベティちゃん、来てくれてありがと~」とつぶらな瞳で微笑みながらキュートに手を振るヅメちゃ んを見るに、「こんな温和なひとがなぜ…」という思いが胸をよぎる。酒は飲んでも飲まれるな!!自戒の念も存分に込めて言うぞ!
しかし、今回の ステージではヅメちゃんの半裸、お尻まで見てしまった。いつもは鎌倉さんの独壇場である「ふんどし姿」にヅメちゃんも果敢に(?)挑戦していたのだ。「み ちのくひとり旅」の山本譲二然りである純白のふんどし。最近では佐渡の和太鼓の男衆ぐらいでしかお目にかからない出で立ちだ。しかもテレビでしか見たこと はない。生だぞ。「う~ん、友達のお尻を見る機会なんてなかなかないもんだよね」。お好み焼きを食べながらオレはアカソフに語りかけてみた。新大久保に は、区役所通りにあるバー「スマイル」でバイトしていたツッシーちゃんが旦那さんと昨年8月にオープンした鉄板焼き屋さんがあるのだ。せっかく新大久保に 来たんだからね、と寄ってみた。「お尻ねぇ…そうだよねぇ」。アカソフもムハムハと食べながら同調する。「しかしアレだね、ヅメちゃんって相当体毛が濃い ~な。胸毛にかけてのギャランドゥぶりもけっこーなもんだけど、背毛があるひとって久々に見たよ~。すごいな、あの背毛!」ついつい声がデカくなってしま うオレ。「背毛、って…。確かにヅメちゃんって男性ホルモン多いんだろうね。ヒゲだって伸ばし始めてから6週間だって言ってたじゃん。6週間じゃあそこま で伸びないぜ~」と、アカソフ。そう、ヅメちゃんはお顔に立派なおヒゲをたくわえていて少々驚いた。おヒゲで顔って変わるもんだね。それもさることなが ら、そもそも胸毛ってオレが「オトナのオトコ」を目にした原風景なんだよな。
オレが小学校三年生の時の担任の先生は、岩上先生という男性教師 だった。あの当時で年の頃はオレの親父と同じくらいだったので、おそらく36、7歳。長身でガタイがよく、今思えば声はシビれるようなバリトン。そして頭 髪は見事な「波平ハゲ」であった。ツルリン系である。そう、あれは体育の時間がプール授業になった初夏のある日のこと。プールサイドで海パン姿で号令をか ける先生を見て8歳児のオレは軽い眩暈を覚えた。「む、胸毛がある…!!」と。エロティシズムなどという言葉のかけらさえ知らなかったあの頃。例えようが ない高揚感(?)を抱えながら帰宅したオレは父親を詰問した。「お父さん、岩上先生には胸毛があるんだよ!モジャモジャなんだよ!!どうしてお父さんには 胸毛がないの!?」「そうか~。先生には胸毛があるのか~ハハハ(←答えになっていない)」と笑う父親を見ながら、幼な心にも納得できない気持ちでいっぱ いだったことを思い出す。なもんで胸毛を見ると、何とも表現し難いムラムラ感(性欲ではない)がいまだに出てしまうのだ…。
「ところでベティさ ん、さっき言ってた『和恵さんプロデュースの集団見合い』って何?」。唐突にアカソフが聞いてきた。お節介な和恵さんが主催する「30代・40代独身者限 定のホームパーティ」と銘打った集団見合いにオレをかなり強引に引き入れようとしているのだ。「もう、ありがた迷惑なんだよね~。概要はこのメールの文面 を読んでもらえればわかるよ」「どれどれ…」該当メールを読み終わったアカソフが呟いた。「こりゃ、集団見合いっつーより、『ねるとん』だな。年齢層高い けど」「年齢層高い、ってのが余計なんだよ!ホントにメンド臭いよな~」焼いたキャベツにマヨネーズをつけながらオレはボヤいた。「でもベティさん、カレ シいるんだろ?」「いるよー。でも、合コンなんて15年ぶりくらいだからすっかり忘れちゃったんだけどさ、カレシがいても「いないんですぅ』って言っとか ないといけないんだっけか?」「どうだろうねぇ。合コンに『カレシがいる』ってコがいると、『カレシがいるのに来るんじゃねぇよ!』って逆ギレされたりす ることもあるらしいから、様子を見ながら加減したら?」「なるほど~。逆ギレされたって困るぜ、好きで参加するわけじゃないのにさ」。銀座の店でも、よく 「カレシいるの?」と聞かれる。ちょっとイイカンジじゃない?というお客さんには、「今、恋愛はお休み中なんですぅ」と答え(ツッコミはお断りいたします わ)、問題外、というお客さんには「気になってるひとはいるんですけど~」と答えるようにしている。現在のところ何の進展もないけどね…。
オレは続けた。「一緒に旅行行ってくれるひとは欲しいんだよな。ひとり旅ってしたことないしさぁ。旅先でゴハンひとりで食べるのイヤだからさ~。そうだ、 あんた一緒に行かない?ひとつ言っとくけど、エッチはナシだからね」「な…何でオレがベティさんと旅行に行かないといけないワケ!?カレシと行けばいいだ ろ?それにどうしていつもあなたはそう“上から目線”でモノ言うの?」「だってカレシはどこにも連れて行ってくれないんだもん!」「もん!って可愛い顔し てもダメだからねっ」「あれ、今可愛いって言ったね?言ったべ、可愛いって」「うるさいな~!」「照れるなよ~」こうしてレベルの低い(?)新大久保の夜 は更けていった次第である。
それにしてもアカソフのヤツ、初めてスマイルに連れて行ってあげたのはオレなのに、すっかりオレ以上に馴染んでい る。G街デビューはRだったのに、先週はブランのキワさんやお客さんたちと、そして昨日はクエスチョンの人たちとお花見に行ったようだ。「ベティさん、バ サラでバイトしていたアサミちゃんが新宿3丁目に店出したんだけど、今度行かない?」などということまで言い出す始末。アイツったらすっかりG街の住人 に…。大丈夫だろうか。日々楽しく生活してもらえれば別にいいんだけどさ。G街のとめどない魅力ってのは理解できるけどね。銀座で過ごしてると余計に肌で 感じるね。良し悪しはわからないけど。ま、春だし恋とかしなくちゃね。
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