2007年8月18日土曜日

ダンスホール

 今週の月、火曜日は会社を休んだ。リフレッシュ休暇というやつだ。月曜日は戸塚の実家に帰省した。雨も上がったので最寄り駅よりも一つ手前で下車してテ クテクと歩く。「最近厚木に帰ると、澄んだ空気や、夜のひんやりした風や静けさに、異常に反応&感動しているのよ。本当はこういう環境で生活するのが人間 らしいんだろうな…なーんて思ったりしてさ。でもさ、帰る場所がそういう所にあって、さらにまた近場っていうのは、私たち恵まれてるよね」と、和恵さんが 言っていた。同感である。
戸塚の街はマイナスイオンをビシバシと噴出しており、歩みを進めるたびにグングンと英気が漲ってくるのがはっきりと分か る。だって結構な森とかあるんだぜ。素晴らしいよね。バッテリー充電を体感している内に、オレが通った中学校の前まで来る。午後3時頃だ。中からは合唱を 練習している様子が聞こえてくる。「そうだ、6月は合唱コンクールの時期だったよな~」。昔から小心者のわりには目立つことが大好きだったオレは、中2の 時に合唱コンクールで指揮者をした。優勝できず準優勝だったことが物凄く悔しかった…。いろんな記憶が甦ってきてしみじみとする。小学校の前も通る。オレ と同年代と思われるお母さん達が子供と一緒に帰宅しようとしていた。カントリーマアム達から見れば、オレは完全に浮いていたようで(ファッションとか)訝 しげにジロジロと視線を注がれる。「オレもすっかり都会人の風情だから(←そう考えること自体が田舎者の証か)田舎のひと達からするとエトランゼなんかな ~?ふふん」と勝手に悦に入る。オレ、やっぱ戸塚大好きみたい。またビタミンチャージしに行こうっと。でもまだ、ずっと住むのはイヤ。
 翌火曜日 の午後は、銀座のネイルサロンに行った。手はフレンチに、足はターコイズブルーをベースにシルバーラメを散らしてもらう。今年の流行である「手地味、足派 手」をしっかりと踏襲するオレである。「ウフ…ウフフフフ…♪」綺麗に仕上げてもらった爪を眺めながらニヤつく。オレは爪をステキにしてもらうとホントに 癒されるの。だって「キチント感」ががっつり出るんだも~ん。指先まで神経使ってるのって、「チャントしたひと」って感じするじゃん。馴染みのマニキュア リストのお姉さんとのおしゃべりも楽しい。「来週、会社の健康診断でさ~。あとどうしても2キロ落としたいんだよ。間に合わないから腸内洗浄しようかと 思ってるんだけど、どう思う?」「ベティさん、私やったことありますよ、腸内洗浄」「えっ、マジ?どうだった?何か痛いって聞いたことあるからさ~」「痛 くないですよ~全然」「そっか…じゃあ、やってみるかな。宿便取ると4キロくらい落ちるっていうじゃん」「最初だと大分出るでしょうね~。最低2キロは体 重減りますよ。でもベティさん、すごい駆け込み対策ですよね」「当たり前じゃん~。会社に記録が残るんだぜ、目方の!」地道なダイエットをしようとは露と も思わないオレである。
 ネイルサロンを後にして、新宿に向かう。和恵さんと映画「やわらかい生活」を観る約束をしているのだ。寺島しのぶ演じる 鬱病の女性がふとしたキッカケで知り合った個性的なメンツと触れ合う内に、「それとな~く幸せ」と人間らしさを取り戻していく物語である。共演のトヨエツ の前評判がすこぶる良い。優子(主人公)の従兄弟で、博多でカラオケ屋を営んでいたが店を畳み、愛人を頼って上京してくる。が、ケンモホロロにフラレてし まい、優子のアパートに転がり込む、という設定。妻と折り合いがすこぶる悪いため、家には帰れない。「子供が生まれてからギクシャクしてきたとよ…。向こ うは24時間体制で子育てモードやけん、オレが店から疲れて帰って来ても、『あんたも少しは手伝ってよ!家事くらいして!』ってキンキン言うばっかりた い。『あんたは何もしないからいらない』、って言われたけん。オレはもう、用済みの粗大ゴミみたいなオトコなんよ…」と、愚痴ったりしていた。粗大ゴ ミ…。ジョゼも同じこと言ってたな~。思い出して涙するオレ。嘘っす。。。
このロクデナシ従兄弟が実に甲斐甲斐しい。鬱状態の優子の髪を洗い、食 事を作り、お買い物をして、お洗濯やお掃除も。お散歩も一緒にしてくれるし、病院にお薬も取りに行ってくれる。しんどい時は黙ってギュッてしてくれるし さ。常に穏やかで、包み込むように優子を守ってくれるのだ。ヒモ同然のロクデナシなんだけどね。ペットみたいな感じ。押し付けがましくない優しさを持って いるのだ。でも、ペットは炊事とかしてくれないもんな。「う~む。『女性観客のハートを鷲掴み』というレビューは外れていないかもしれんな…」。唸るオ レ。劇中では尾崎豊の『ダンスホール』という曲が象徴的に何度もかかっていた。

あたいグレはじめたのは ほんのささいなことなの
彼がイカレていたし でもほんとはあたいの性分ね

10代でこの歌詞を書く尾崎って、どうなんかね!?あたい、って…。で、映画はハッピーエンドではなかった。ええぇ~っ!?というところであっけなく終わってしまう。あれじゃあ、優子は二度と立ち直れないかもしれない。
  映画鑑賞の後に、和恵さんとお寿司を食べに行った。「寺島しのぶって、顔はイマイチだけどカラダはエロいな~」と、相変わらずおやじノリのオレ。「うん、 エロいエロい~!」同調する和恵さん。和恵さんは現在妊娠5ケ月。二週間ほど前に新大久保で焼肉を食べた時はそれほどでもなかったが、今はお腹のポンポコ リンぶりに拍車がかかっている。スゲーよな、人間を製造しているひとって。「しのぶって驚異的に芝居が上手いな。でも、顔曲がってない?」「曲がってるよ ね~。ベティちゃん、顔曲がってるオンナっていいセックスしてないらしいよ~」お寿司をムハムハ食しながらコメントする和恵さん。「えぇ~っ!?それって 根拠あるわけ~?骨盤の問題かな~。誰が言ってたの?」「中学の時の保健体育の先生」「なんちゅ~了見の教師だよ…。いいのか?中学生にそんなこと教えて さぁ」と言いつつ急に不安になってくる。「和恵さん、オレ…顔曲がってないかしら!?」「う~~~ん」和恵さんは5秒ほどオレの顔を涙堂のぷっくりと膨ら んだ瞳で見つめた。「うん、ダイジョウブ!曲がってないよ、安心しな!すいませ~ん、平目とみる貝くださ~い!」和恵さんはしこたま喰っていた。
そ うこうしていると、アカソフから、「今日は仕事の都合でどうしても合流できません。ゴメン」というメールが入った。「アイツ~。ちゃんと都合つけろって 言ったのにぃ~。しょうがないなぁ~」そう呟く和恵さんにオレは問うてみた。「オレさぁ、いよいよ年とってきたらアカソフと暮らそうかと思うんだけど。絶 対に恋愛感情湧かないし、従兄弟同士みたいな生活できるような気がするんだよね。アカソフ、カラダ丈夫だし力もあるしさ、オレが寝たきりになっても起こし たりできるじゃん」「でもアカさんの方に恋愛感情があったらどうすんのさ~。それに寝たきりになるのはアカさんの方だったらどうすんの~?」「むむむ…確 かに。105キロは起こせないぜ、オレは。でもちょっと先の話だから、息子の章吾も大きくなってるだろうし、オレとの将来のためにヤツには早めに離婚して おいてもらわないとな(←自分の都合しか考えていないオレ)」「アイツ、ひとのこと言うわりには自分のことの決断がホントに遅いからねぇ」と、勝手なこと を言い合って盛り上がった。桃井かおりが「男と女の友情」についてこう語っていた。「『一度は寝る』というチケットを交換し合っておいて、それは棺桶まで 持っていくの。それって贅沢な関係だと思わない?」アカソフとオレはそんなチケットを交換することは、ない。あったら困る。
「そういえば和恵さ ん、今日の映画の脚本家の荒井晴彦さんとはG街のどこでお会いしたの?黒部?」「ううん、黒部じゃないよ。トダチ」「トッ、トダチ?和恵さん、トダチ行く ん?」「うん。今はこんなお腹だから行けないけどさぁ。前はちょくちょく行ってたよ~」。バッティングしたことないですね。良かったですね。ブログです が、語りかけてみました。
 で、和恵さんと一緒になかじの店「Death Match」に顔を出してから、オレ単独で「黒部」へ。「オレなんて子孫も残せず、タイシタ仕事もできないままに犬死するんだ~。何も残せない負け犬さ ~!!」とマスター相手に散々クダを巻く。サイテーな感じの酔っ払いぶりだったかも。そんなオレをマスターは温かくず~っと励ましてくれた。ま、励まして もらう目的で行ったところもあるからな。言ってもらいたいことを言ってくれるひとに会いたいのさ、ピンポイントで。ある意味、G街的な飲み方を全うでき て、妙な達成感はある。あ~スッキリした。そこで止めておけばいいものを、無理矢理マスターを拉致して「気仙坂」へ。ここでの記憶はもう朧げである。飲み 過ぎると脳細胞がブチブチと壊れていくのが分かるな。少しだけ反省しておこう。直す気ないんだけどね、ほとんど…。
 水曜日は会社帰りに美容院に 寄り、ちょっと黒めのカラーにしてもらった。気分が変わるもんだな。しかし、ブログってちゃんとコマメに書かないでまとめ書きすると、めちゃめちゃ長く なっちゃうなぁ。対策を考えんとな。毎日少しずつ書きゃいいのか。それができたらとっくにやってるって!
 昨日の木曜日はついに神楽坂へ上陸(?)した。案外平気だった。リハビリは順調かも!この調子だ。頑張れオレ!!あるイラストレーターさんがこう言っていた。

変革はただ変えることではない。
変革のその先にあるのは秩序ある安定である。
しかも、日々これ変革しつづける安定でなければならない。
秩序ある変革を押し進めるエネルギーが大切。

Changes!!
オレが一番好きな言葉である。

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