フィルムが焼けた。映画のフィルムが。
土曜日にジョゼと『ダヴィンチ・コード』を観に新宿まで出た。本当は香川照之とオダギリジョーが兄弟の 確執を卓越した演技力でもって見事に昇華、鬼気迫る作品にしたという、「今年一番の大傑作!」の呼び声が高い『ゆれる』が観たかったのだが、ロードショー 初日とあってさすがに館内はキャパオーバー。オダギリジョー、今すっごい人気だし!で、仕方なく、というわけでもないが『ダヴィンチ…』にしたら、本編開 始30分ほどで画面の端からチリチリとフィルムが焼けて、暗転してしまった。「ざわ…ざわざわ…」と、福本伸行の漫画のようにさんざめく館内。「うわ~ 『New Cinema Paradise』みた~い。こんなの初めてだ~!ひゃっほう、楽しすぎるぅ~!!」とウカレるオレに反し、「それって戦前の話だろ~。今の世の中でまだ こんなことがあるなんて…」とジョゼは脱力していた(ように見えた)。事件が起きて、大きな陰謀が渦巻く気配アリアリな状況の中でわけもわからず何故か追 い詰められていくトム・ハンクス…、のさわり部分のみ観てしまって、確かにかなり拍子抜けだ。時間を持て余してしまったこともあり、またG街で飲んだくれ てしまう。
オレはG街に関してはまったくもって学習できない人間である。何度も何度も何度も何度も同じ失敗を繰り返してしまう。ハシゴして調子 に乗り、ある瞬間にプツリと気絶する。わかっているのに、わかっているのに、あぁそれだのに!!正確に表現するならば、「うっ、このままだとあと数分で落 ちてしまう…。ヤバイ…」という直前に最悪の状況だけは回避すべく、店を後にするようにしている。だからいくら酔っ払っているとはいえ、お店のおトイレを 占拠したり道端に転がっていたりはしないの。そこまでの危険察知能力は備えているのさ。とはいえ、人様にご迷惑をおかけすることもたびたび。土曜日もケロ ロさんに召集をかけておきながら、合流後にすぐに意識が朦朧としてきたため、会話もそこそこに早々に失礼してしまった。ごめんなさい、ケロロさん…。お酒 で人間関係が壊れる類いのヤツってオレみたいなヤツです。深く反省しています…毎回だけど…。「反省だけなら猿でもできる」って昔のCMのコピーにあった が、今でも十分に胸に刺さるね。ケロロさんに慇懃無礼な行いをカマした挙句、また誓いを破ってしまう。オレは今年の元旦に「今年からはもう吐くまでは飲む まい」という目標を立てたのだ。でも、やっちまいました。おうちのおトイレでゲーゲーと…胃液まで吐いちゃった…苦しかったぁ~。ジョゼが甲斐甲斐しく介 抱してくれた。半ば呆れたようにオレを見ていたような気がするが、気のせいだろう(と、いうことにしておこう)。
で、昨日の日曜日はDume Barのヅメちゃんとヒロミちゃんの「結魂(会場の垂れ幕にそう書いてあった)披露パーティー」にアカソフと出かけた。もうゲロゲロで、歩行もままならな い有様であったオレは、正直なところドタキャンさせていただきたいくらいの心情であったが、己のカラダに鞭打ち出かけた。「約束を破る人間は最低だ」と、 教育され続けてきてるからさぁ、オレ。ハイチオールCとバファリンとウコンサプリを流しこみ出陣である。
パーティーは、それはそれは大変な盛り 上がり方であった。まさに壮絶。結婚披露という名目ではないであろう、というノリ。芸達者な方たちのパフォーマンスがこれでもかこれでもかと目白押し。ほ とんどG街のマスターとかお客さんだったけど…。Orange王子の沢田王子とか壁の穴のマスターとか。もはやG街管理組合主催の大宴会、ライブ会場と化 していた。あの街の世代交代も案外上手くいってるね。底力を体感したよ。オレも歌わせてもらえば良かったな。オレの方が歌イケてるもん!「飛び入りで行っ ちゃえば?」とアカソフに唆されたが我慢した。だって、コンドルズの皆さんもいらっしゃったしぃ~。オレの真横で良平さんが「赤ワインください」と、バー カウンターで頼んでたり、「はい、これ最後に飛ばしてくださいね~」と、藤田くんが風船を手渡ししてくれたりしているのに話しかけたい気持ちをグッと我慢 するオレ。「一緒に写真撮ってください、って言わないの~?」というアカソフに毅然と「だって、皆さん今日はプライベートで来ていらっしゃるのですもの。 そんなことはできませんわ」とオレは答えた。「えぇ~!?ベティさん、ミーハーなのにね~」とほざくアカソフ。「黙らっしゃい!!」オレは自分に言い聞か せる意味も込めて叫んだ。我慢しなくちゃなんだよ…。ヒロミちゃんから「騒いじゃダメよ」って釘刺されてるしさぁ。あぁ、辛かった。我慢ってやっぱりカラ ダによくありませんわね。
それにしても、結婚式って楽しいな~。イベント性の高いものだと更に面白いね。オレは、「結婚はしたくないが、結婚 式はもう1回くらいしてもいい」と思っているのだ。それもコテコテでエゲツないやつを。今回のパーティーでは涙チョチョギレのシーンは皆無であったが、ヅ メちゃんとヒロミちゃんのコメントが、お互いのキャラを実によく表していた。
7月から、より一層おいしい酒が呑めそうだ。自分のために輝いていたら、灯台は船を導けないのだ。ドロ船であろうが、紙船であろうが、信じた船を導くぜ。今日来て頂いた全ての人に、ありがとう。裕美
よく恋は当たって砕けろと申しますが、僕の場合、自分が砕けるばかりか、相手をも粉砕している事が、たまに、多々あります。これだけ当たりあって互いに砕 けないのは、後にも先にも、彼女だけです。飛び散った石に泣かされてきた皆様、すみません。そして、これからも、よろしくお付き合いください。利博
それからヒロミちゃんは「私が幸せにしますから、ヅメちゃんを!皆さん、安心してください!!」と大演説。「男らしい~!!!」思わずオレはレスポンスし てしまった。するとヅメちゃんが、「僕は…『こんな命なくなってしまえ!』と、飲み屋の2階から飛び降りたりもしましたが、僕…僕…長生きしたいです…」 とうつむいた。素晴らしいバランスのご夫婦ですね。前にヒロミちゃんに、ヅメちゃんとヒロミちゃんの相方としての形態と、ジョゼとオレの形態が似ている、 と指摘されたことがあった。そんなことは断じてないと思う。絶対に違う。似ていて非なるものなのさ。オレは、「自分のために輝いていたっていいじゃん」っ て思う灯台なんだも~ん。時々、船のことは見捨てちゃうの。
二次会もぜひ、といろんなひと(←お店で顔は見たことあるけど、名前は知らないって ひと達ばっかし)からお誘いを受けたが、アカソフと歌舞伎町の居酒屋でサクッと飲んだ。「そうそう、和恵さんからメールきたけど、オレはあなたの老後の面 倒は見ないからね」とアカソフに宣告されたオレである。なんて生意気なっっっ。「それに、オレとベティさんは3つしか歳違わないんだから、もっと若いのに しときなよ~介護してもらうんならさ~」という、ごもっともなご忠告も頂戴した。やっぱしそう思う?そうだよね~。
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