
日々の暮らしを徒然なるままに。
暑い暑いと言うのにもすっかり飽きてきてしまったほど今年の夏の気温は度を越している。
猛暑だ熱帯夜だの「連続記録更新!!」のニュースを聞くたびに卒倒しそうになるオレである。
一昨日の金曜日に銀座はマロニエゲートで「精をつけるなら鰻じゃ!!」と、高級な鰻(モチロン、オジサマの奢り☆)をかっ込んでみた。食べたそばから鰻の滋養がカラダ中に行き渡り、みるみるとパワーアップしていった(ような気がした。あくまで気分だけ)。
そんな尋常でない暑さが猛威をふるった夏も少しずつ秋に移行していっている。
陽が沈むのが早くなったし、影は確実に長くなっている。秋の虫の声もごくわずかだが聞こえる。そう、もう9月なのだ。
9月生まれの人間がオレの周りには妙に多い。
銀座AP(仮称)の美智子さんもその一人。9月4日生まれである。
一昨日鰻をかっ食らった後、ご馳走してくれたオジサマとAPへ一緒に行き(いわゆる同伴出勤というやつだ)通常業務をこなした。
株安、円高、酷暑の影響のためか、この日も客足は芳しくない。
女の子たちはどんどん早上がりさせられてしまい、閉店時に残っていたのはオレの贔屓客である某インクメーカーのH氏とS氏と美智子さんとオレ、の四人のみだった。
日付が変わる頃にH氏がスティービー・ワンダーの「Happy Birthday To You」を美智子さんに贈った。
APは銀座のクラブだがカラオケがあるのだ。カラオケがあるがゆえにスナックと間違えられることも多い。店の雰囲気もスナックに限りなく近いが、それを言うとオーナーママが激怒するので皆黙っている。
誕生日の夜に一人で帰すのも忍びない、とH氏が気を遣い、それにS氏も同調したため、美智子さんのためにアフターをすることになった。
その旨を美智子さんに告げると「えぇっッ!本当!?いいの?ホントにいいの?嬉しい~!!片付けしたらすぐ行くから待っててねっ」と、ある意味たまげるほどの瞳の輝き具合を見せたので、オレはナンだかものすごく人の役に立っているという満足感にちょっとばかり包まれた。
アフターの店は美智子さんたっての希望で「毎日食べてもいい」と日頃から繰り返し繰り返し叫んでいるお気に入りのジャンルである「お寿司」にした。
並木通りにある寿司店に入ると時は午前1時過ぎ、ひと目でソレとわかるアフター客で混みあっていた。
露出度の高いお洋服と盛り盛りの巻き髪にギャルメイクバフバフ。そばには「まだバブルでしたっけ???」と錯覚してしまうような胡散臭い、もといお茶目なオジサマ達がゴロゴロ。
「スゲェ…お化粧上手いな~。教えて欲しい~」オレは女子群をジロジロ見たい気持ちを懸命に抑えた。
「あんなん、全然ダメや。ベティちゃんの方がごっつ魅力的やで」「Hさん、イイコト言う~」
H氏とオレは乾いた笑いを酌み交わした。
そんな中、40代後半か50代前半かの顔を真っ赤にしたオヤジが、若くてキレイなお嬢さん二人を
伴ってオレ達の隣の席に座った。
「好きなものどんどん食いなよ」上機嫌なオヤジ。ちょっといい会社のサラリーマンがけっこー無理して
奮発している感アリアリである。
「はい、頂いてますぅ~」「美味しいですぅ~」「かに味噌食べてるだけで幸せですぅ~」
いずれも感情ゼロのコメントを発する女子達にオヤジが畳みかける。
「君達さぁ、アフターも積極的に付き合わなきゃ指名とれないよ~。そのぐらいの気持ちでやんないと。
お水の世界で生きていこうと思ってるんなら、さぁ~」
「そうですね~頑張りますぅ~」と、トーン低く答える女の子の気持ちがオレにも伝わってきた。
「テメーがあんまりしつこいから付き合ってやってんじゃん。まだ何度か店に来そうだからちょっと丁寧に扱ってやるか、って。でも一人でアフターするのもイヤだからもう一人女の子呼んでんじゃん。
バッカじゃね~の!!」
皆さん、同伴もアフターも私達はしたくないんです。疲れるし、時間もったいないし。
その分お金でくれる人が一番評価上がりますよ☆
そんなこんなで、ひとしきり飲み食いした後で美智子さんとタクシーで帰った。
美智子さんはベロベロである。オレは酔いながら「ウィ~ッ」という人を漫画やドラマ以外で久々に見た。
「お客さんの前では言えないこともあるから…。いろいろあるのよ…ホントにいろいろ…。でもね、でもOさん(オーナー)はスゴイ人よ…あの人はホントにスゴイのよ…。ウィ~ッ!!」
銀座を生き抜いてきたオンナの切なさが垣間見えた。←江古田ちゃん読み
頑張れ!!美智子さん。
あなたが皆に「仕事が出来ない」だの「認知症じゃないのか」だの「アル中入ってるよね」だの
言われても、オレは味方です(少しだけ)。
でも、そろそろオレも銀座からは足を洗ってカタギ一本にしないとな。
同じ向きを向いて涼むウチのハナたんとサスケ。姉弟ではありません。
他人(猫)です。
0 件のコメント:
コメントを投稿